< 開花に乗って~! >

東京では桜の開花が宣言されましたが、幼稚園のお山でも本日一つ、二つとソメイヨシノが開き始めました。

グラウンドの桜はまだですが、この分だと丁度入園・進級式に満開かもしれませんね。ソメイヨシノはエドヒガン桜とオオシマ桜の混合種。より華やかで見応えのある種を日本人が作りだした桜です。

さてこのソメイヨシノの開花とほぼ時期を同じくして、日本では昔から身近な野鳥として親しまれている、「ツバメ」がやってきます。

学名を(Hirundo rustica) と言いますが例年の飛来日が4月3日(東京)になっていますから、もう間もなく幼稚園の上空にも姿を現すことでしょう。

昨年は5羽のヒナが無事に巣立ちました。遥々と大海原を越えて渡って来る小さな野生動物を優しく見守って下さい。里帰りなのですから!

さてこの里帰り。多くの渡り鳥は日照の変化と体内時計、太陽の位置と地上の場所を目視しながら渡りを繰り返しています。

つまり1箇所に留まって生息しない渡り鳥にとって、1年ぶりの同じ場所がどうなっているかは生死をかけた重大な問題です。

サシバ(Butastur?? indicus)というタカ目タカ科の種は、東京大学の樋口教授の調査によると、ほぼ毎年同じ経路で同じ場所に戻って来ることが分かっています。

何丁目の何番地まで同じ箇所へやって来るのです。

ツバメも同様と考えられますが、今回の大地震によって東北地方へ帰って来るツバメたちがどうなるのか、大変気がかりです。

2万人近くの人々が命を落としたり、行方不明になっている今、野生動物に心を寄せる事なんか不謹慎と思われるかもしれませんが、

こうやって自然災害に遭い、その種を絶滅へ向かわせた動物たちは以外に多いのです。(私たちが知らないだけで・・・・・)

広大な地域で建物が失われた東北地方。一心に故郷を目指して海を越えてきたツバメたちは帰る家が無く、地上のあまりにも変わってしまった風景に、子育てどころではないでしょう。

同じようにこの春と秋の時期に、日本を経由してロシアとオーストラリアを行き来しているシギやチドリの仲間たちにとって、東北地方の太平洋沿岸は重要な休憩地となっています。(東アジア地域ガンカモ類重要生息地ネットワーク)

彼らもまた大震災の被災(動物)者と言えるでしょう。

宮城県には日本で越冬するマガン10万羽が集まる伊豆沼や蕪栗沼があります。多くの鳥が集まる事で、高原性鳥インフルエンザの危険がありますが(今年は鹿児島県の出水市=ナベヅル・マナヅルで問題になりました)、これらの場所はとにかく重要な湿地なのです。

いまマガン(Anser?? albifrons)たちは北海道のウトナイ湖に集結しています。26日の朝、98,000羽が飛び立った事を受けました。

鳥たちに限らず多くの野生動物も、今回の大震災で傷ついているかもしれません。今この動物たちを救う余裕など無いことは分かっていますが、せめて私たちの身近にやって来る渡り鳥たちを優しく、隣人!?として迎えてあげて下さい。

今年は何羽が巣立つでしょうか!

楽しみです。

Filed under: 鳥・トリ・とり — itsuko 15:03