< トイレの匂い >

1日のページにも載せましたが、キンモクセイがいい香りを放っています。

お山の頂上には3本のキンモクセイがありまして、一昨年ごろから花芽をたくさん付けるようになりました。

今日は朝の外遊びの際、

「皆さん、おはようございます。

今日はお山の一番上に行くと、とてもいい香りがしますよ。

どんな香り、匂いか、どこから匂っているか、見つけて見て下さい。」

と言いました。

すると、外遊びが終わる頃、一人の男の子が、

「先生、トイレの匂いがしたよ。」

とサラッと言いました。

「えーーーーーー、トイレの匂い!」

そうです。芳香剤です。今や1家に1つは必ずあるだろう、芳香剤。

そしてきっとキンモクセイの香りは人気があるのでしょう。

非常に残念ですが、この香りは芳香剤として子どもたちの記憶にはインプットされているのです。

本来のキンモクセイ科常緑小高木としての「キンモクセイ」という木に、天が高く成り、馬肥ゆるこの時期に小さくてオレンジ色の花を付ける、その香りである事を知らないでいるのです。

残念な事です。

身近な自然、四季の移ろいは、本人たちが五感で感じ、同時にその感覚がこれだよ!と伝えてくれる人(インタープリター)が居ないと、蓄積されません。記憶に残りません。

その伝達人はご両親であり、学校の先生であり、地域に居るであろう自然案内人です。

キンモクセイはあちこちの庭先や公園に多く植えられていますから、どうぞその香りを嗅ぐ事が出来たら、芳香剤のトイレの匂いは、この花の香りである事を伝えて下さい。

先日の説明会の後、お山を見学された方がたくさんいました。

どのように感じられたでしょうか?

お山には特別な物はありません。遊ぶ道具もありません。

しかしそこに生えている植物やそこにやって来る生き物たちがたくさんいます。

そしてそれらが貴重な教材です。

その教材をどのように生かすかは、私たち大人です。

スーーーと通り過ぎればそこまで。

ちょっと足を止めてじっくり見たり、聞こえる音を聞いたり、触ったり、匂いを感じたりすれば、まったく違った世界が広がり、いままで感じた事の無いような体験をするのです。

その入り口を作ってくれる人に会えると、会えないでは人生が大きく違うはずです。

説明会の後、在園児の保護者の方からこんな要望があったそうです。

「せっかく素敵な山があるんだから、もっとクラスの時間内で活用して欲しい。」と!

まさにその通りなのです。

私の理想は定期的に3学年それぞれが、その学年に会った自然との触れ合いカリキュラムを実践する事です。

が、一番重要な伝達人の用意がありません。

現在の先生方の中には、まだまだ自然伝達人(インタープリター又は子ども環境管理士)の理念と実践を積んだ方が居ないのです。

私一人では限界があります。

どうしても共にその理念を伝えられる人材が必要です。

この人材を育てる事が私の課題でしょう。

少しずつですが浸透させているのですが、

なかなかぎっしり詰まったカリキュラムを割って、お山での生き物教室を開く時間と知識と心の余裕が無いのです。

このご要望には本当にお答えしたいと思っています。

もう少し時間を下さい。

定期的に入れられなくても、何らかのアクションは起こしたいと思っています。

それが毎年参入している作品展時の私のブースでも有るのですが・・・・・・・。

キンモクセイの香りはお花の香り。

この家庭衛生商品やトイレ自体の香りで無い事を伝えて下さい。

Filed under: こども環境管理士 — itsuko 19:25