< 頼むよ、S君! >

昨日も東京の北区では局地的な集中豪雨があったとニュースになっていました。

「ゲリラ豪雨」と呼ぶそうですが、テレビでは人の腰ほどの水位の中を消防隊員が歩いているシーンが映されていました。

九州の鹿児島や長崎では連日の雨で、土砂崩れも起きていて、本当に心配ですね。

いつも空を眺めては恨めしく思われている事でしょう。口蹄疫の問題もあり、心よりお見舞い申し上げます。

そこで、この数年の天候の異変。誰もが少しは危惧しているかと思いますが、やはり地球温暖化によるところが

大きいと、各方面の研究者が発表しています。

先日NHKの番組で、台湾で起きた巨大な土砂崩れについて特集されていました。

これも原因は地球温暖化による集中豪雨で、毎回の降雨量が半端ではなく、山々が降った雨を処理しきれず、

地盤そのものが水によって弱くなり、支えている岩盤自体に水がしみこみ割れていく現状があるようです。

そしてあるとき一揆に、山全部が崩れ、一つの村落が一瞬にして壊滅した事の検証番組でした。

この現象は日本の各地でも台湾の規模ほどではありませんが、年々多くなってきているそうです。

ファザードマップなる危険区域を示した地図が、国土交通省により作成されていますが、

誠にただ事では無い状態が、日本のあちこちで予想されているようです。

どうしましょう。怖いですね。いつ、自分の家の周りがそうなるか、また幼稚園の山は大丈夫なのか、

と考えたら眠れなくなりました。

それを少し救ってくれたのが、年長組のS君です。

彼も同じ番組を見ていたようで(午後9時からの番組で、とても幼稚園の子どもが見そうなプログラムでは

ありませんが、お家の人と一緒に、真剣に見たようです)、月曜日の朝、登園するなりすぐに私のところに来て、

この怖い話を聞かせてくれました。その子は「今年はホタルが遅い」「梅雨が遅い理由は・・・・」など、

自然の事象に興味を持っているようです。

私はS君にすがりました。

「S君、これから日本はどうなっちゃうんだろう。怖かったね、テレビ。先生の家の周りにも、お山はあるよ。

崩れてこないかな、どうしたらいいんだろう。」

「先生、僕の家もヤバイよ。雨がいっぱい降ったからね。僕、どうしたらいいか考えるよ。

明日教えるね。」

「そうそう、考えて。S君たち子どもがいろいろ考えて、これからの日本を救ってよ。

頼むよS君。先生はどんどんおばあちゃんになっちゃうから、ながつた幼稚園のお友達に

日本を救ってもらいたいと先生は思ってるよ。」

「う~~~ん、僕考えるね。」

「頼みます。しっかりと考えて下さい。」

「はい。でも何考えるんだっけ?」

「え~~~~~~、だから土砂崩れ、怖いから、どうしたら起こらないか・・・・・・、でしょう!!!!」

「あっ、そうか。わかった。明日教えるね。」

大丈夫かなS君。イヤ、笑いごとではありません。連日のように関東地方のどこかで

ゲリラ豪雨が発生しています。快適で、便利極まりない都市型の生活をしている私たちは、

一たびそれらの機能が停止するとどうにも立ち行かなくなるのです。

これからの社会は今後起こりうる多くの災害を想定し、ただただ利便性とか機能性を追求することなく、

最小限の炭素社会を維持しながら、自分で出来ることは自分でやり、出来るだけ自然の営みに負荷をかけないように

心がけることを伝えるのも、私たち[子ども環境管理士]の役目です。

Filed under: こども環境管理士 — itsuko 17:45