< 虫、虫、虫。 >

と言うわけで、今回は虫の話。

今日は何となく「なのはな」組にふらっと出かけたら、天井の蛍光灯に

[オオシオカラトンボ」が止まっていました。

私の事ですから、「ワー、わー、ウァーーーー、なんかいるよ?」ととびきりオーバーに関心を示し、

みんなを引き込んだつもりですが、なのはなの皆さんはあまり驚かず、「そうだよ!」と

ちょっと冷ややか。理由は、朝からずっと部屋にいるそうで、朝の外遊びでも、昼休みも

お山の池で飛んでいるトンボを見てきたようです。

だからと言ってここで引き下がるわけには行かないので、「捕まえてみよう」と言ってみたら、

これには全員が大騒ぎとなり、目がキラキラと輝きだしました。

私は大急ぎで虫取り網と脚立を持ってきて、そーと蛍光灯に近づくと、

「あっ、それは虫、虫、虫。朝からいるよ」と今まで手を洗っていたS君が参入。

「そうだね、虫だね。なんて言う虫かな?」

「虫、虫だよ。これは虫って言うんだよ!」

そうですね。これはまさに虫ですね。幼児期の子どもたちにとって、

[虫] という概念はいつごろから芽生え、理解するようになるでしょうか。

自分を振り返っても、いつ頃から小さな身近にいる生き物に気付き、それが

虫 というかを覚えたのか、記憶にありませんが、多くの子が「トンボ」という

固有名詞を知っていた中、その男の子は「虫」が名前と思っていたようです。

ということは、ちょうど3歳から4歳にかけて、外遊びが多くなり、動く小さな生き物を見つけ、

手に取るようになって、親から「ムシ」の言葉を聞き、これらが虫ということを理解しだすのでしょう。

そしてトンボも虫の代表者として見聞きして、認識に至るのでしょう。

今日の出来事が、このS君にとってはトンボと虫がはっきり認識できた出来事になったかもしれません。

そう考えると、子どもたちの自然との触れ合いはいかに大切であるかが分かります。

トンボが飛ぶ環境に触れたことがなければこのような体験は出来ないのです。

さりげない、大人にとってはあまり大したことのないように思える出来事ですが、知らず知らずに

このような環境は少なくなっています。気を付けていないと、「無い」 ことにならないように、

お山や池を整備しています。

うまく虫取り網に捕まえたトンボを指にとまらせ、それだけで子どもたちはキャーキャーですが、

両羽根を持って、みんなの目の前に見せて、トンボとにらめっこをしてもらいました。

「変な顔」「目はどれ」[青いね」、などと口々に表現された中、次の瞬間 ペン とトンボを叩いた子がいます。

これも子どものリアクション。どんな表現もOKですが、そこからまたその子なりの

アプローチを見つけます。

その後テラス側へ出て、空へ羽ばたいて行くオオシオカラトンボを見送りました。

これがそのトンボです。青いのがオス、黄色いお腹があるのがメス。

どちらもお池で羽化しています。メスは昨日の朝羽化したと見え、まだおぼつかない様子の時を撮影した個体です。

???????????

< こんな質問がありました。 >

「生き物が大好きです。」とあちこちで言っているので、こんな質問を受けました。

まずはお電話で保護者の方からです。

家族でお出かけした際、オタマジャクシを取ってきて、家で観察しながら育てていたら、

カエルになってしまい(当たり前ですが!)、エサをどうしたらよいか困っている。

と言うご質問です。

まず、カエルは生き餌(動くもの=昆虫、ミミズなど)を食べるので、オタマジャクシの時と違い、

その調達が難しいですね。結局動物の飼育はお家にいるお母さんの仕事になってしまうので、

なおさら悩むところでしょう。

昆虫や爬虫類、海にいる甲殻類を観察のため飼育したら、その後は(飼育に困難をきたしたら)

必ず取ってっきた場所に戻すことが鉄則です。そこまでが生き物を飼ってみる事の終結です。

地域、地域で少しずつ種が違う場合があります。(亜種)

これを混雑しないように、必ず元の場所に戻すことまで考えて、観察してみて下さい。

今回はどうやら「ヒキガエル」のようでしたから、どうしてもだめな時は幼稚園で

引き取ることもお伝えしました。

でもお母様は、家族でよく話し合い頑張ってみるそうです。

この事が、とても大切なんですね。家庭で、特にご両親が生き物と係り必死で育てたり、面倒をみる、そこで生まれる

会話から、子どもは生き物と接する態度や感情を育むんです。

ただただ子どもを自然の中へ放り出しておけばいいわけではありません。

そこには保護者や大人のかかわり方がとても重要な仲立ちとなります。

ですからまず大人が身近な自然に興味を持つこと。そして自然は、はて生き物はどうやって

暮らしているかを知ることです。

私は少しでもその事を伝えたくて、焦って(身近な自然=生態系がどんどん失われていくので)勉強中なのです。

自らもこの事の重要性をほんの6,7年前から知ったのですから・・・。

生き物の成り立ちは、切れる事がなくみな繋がっています。

土の中の小さな生物も、肉食となる捕食者(鳥類・哺乳類)もすべてが係り合って

暮らしている事を、子どもたちに伝えながら、お出かけ先の生き物に接してください。

なぜなら、彼らはそこが生息する場所で、だからそこにいるのですから!

次に、子どもからです。

年長の女の子がこんな事を聞いてきました。

「幼稚園のお山に、ヤマビルはいるの?」

まず、ヤマビルなんて良く知ってるなーーー、と思い、

どうしてそれを知ってるの?と聞いたら、テレビで見たそうです。

一緒に見ていたかわかりませんが、保護者の方が幼稚園のお山には、

いるのだろうかと思ったのでしょうか?

答えの前にヤマビルの解説をいたしましょう。

動物分類学的にいいますと、環形動物(ゴカイ・ミミズ・ヒルなどの一般に細長く体節のある仲間)

の中の、蛭綱(ヒルコウ)、顎蛭目(ガクシツモク)、ヤマビル科となります。

日本各地の淡水や陸にすむ隊長30~150㎜の赤茶色っぽいヤツで、

3個の顎を持ち、90個内外の歯でヒトや哺乳類に傷を付けて吸血する生き物です。(日本動物大百科より)

学名がそもそも、HIRUDINOIDEA ですからその頭文字を取って「ヒル」なんでしょうね!??

でこのヤマビルは、大山や丹沢のあちこちで爆発的に増えていまして、それがテレビで

取り上げられたのか分かりませんが、秦野や伊勢原では困っているそうです。

で、答えは[NO]です。幼稚園のお山にはいません。

なぜ丹沢地区に増えたのかと言いますと、ニホンジカの増加が原因です。

そこら中の山中に食べ物となる草や新芽を求めて移動するうちに、丹沢全域に

広がったようです。今丹沢ではシカ駆除をして、バランスの取れた生態系を戻そうとしています。

このシカの体について、いっぱい血を吸って、ポロリと落ちた地点ですぐ繁殖です。

環形動物たちはその生存を維持するには簡単な方法で、すぐ繁殖できて多くを残せないと存続できませんから、

ニホンジカの増加に比例して、爆発的に増えているようです。

なんと私はそのヤマビルのうじゃうじゃいる丹沢山中を、先日歩いてきました。

別にヒルに会いたくて行ったわけではありません、あしからず!

案の定、私の膝上まで数匹のヤマビルさんたちが忍び寄り、退治する間に

また取りつかれる始末でした。そこでは私たちの気配に気付き、「キョーン」と

甲高い鳴き声を上げ(警戒音)、ドドドと斜面を移動していく数頭のニホンジカも目撃しました。

そしてヒルと闘いながら歩いていると、私は幸運にも今年のお宝1号に上げてもいいほどの、

オスジカの抜け落ちた角を拾ったのです。この春に抜けたようで、傷一つなく、

とてもきれいな右角です。

シカの角は毎年抜け落ちますから、考えてみれば山中のあちこちに落ちているのでしょう。

でも拾う事はそうめったにないはずです。私はよく、鳥の羽を拾い集めているのですが、

この大物は、ヒルの不快さを吹き飛ばしてくれました。

もしご覧になりたい方がいたら、職員室にお越しください。特別展示をいたします。

そんな訳で、哺乳類の移動により生息域を広げるので、幼稚園のお山には今のところ

大型の哺乳類は見られませんので大丈夫です。(野ネコはどうなんだろう?)

ちなみに蛭の退治にはナメクジ同様塩を振りかけるのです。体の水分を取ってしまうと

いう事です。そして丹沢へ出かけた本当の理由は、日本書紀にも出てくる「ヌエ」と呼ばれていた

動物(鳥)の鳴き声を聞きに行ったのです。夜鳴くので1泊してね!

物好きですみません。

この鳥の話はまた今度いたしましょう。

何か生き物の事で不思議や疑問に思う事がありましたら、またお問い合わせください。

私、図鑑を見るのが大好きですから、いろいろと調べたり、経験したことでお答えします。

最近入手したかわいい友達を最後にご紹介しましょう。いつものように、写真の写りが今一つなのは

お許しください。

幼稚園のお山ではまだ見たことがないトンボ2種です。

クロイトトンボ(細いトンボ)とヤマサナエ(ヤンマの仲間)

続きまして、ちょっと引く仲間!これです。

これ何だかわかりますか?細かい毛見たいのが見える、中央に写っている、

なんともムニュムニュそうなやつです。きれいな色して、かわいいですねーーーー!

このかわいい子の親はこれ。

ヤママユガといいます。もちろん蛾です、の幼虫でした。

この蛾はクヌギやコナラの広葉樹に卵を産みますから、お山にも姿を見せてくれるのを

楽しみにしていましょう。トンボも多くの種類が見られるように環境を作らないとね。

Filed under: こども環境管理士,未分類 — itsuko 16:09

< これが 動物村です。 >

本日は移動動物村でした。

動物の飼育をしていないながつた幼稚園では、小動物との触れ合いを目的に、

園に動物たちを連れて来てもらっています。

ヘビから犬までいて、子どもたちは大騒ぎ。怖くて触れない子もいますが、

3年目(年長)には抱っこできるでしょう。生きている温かさを感じて欲しいのと、

小さな生き物への愛おしさを持ってもらいたいと思います。

ゲージの中にはシチメンチョウ・ホロホロチョウ・にわとり・うさぎ・アヒル・

モルモットなどが入っていまして、気に入った動物を自由に触れます。

この群がりは、ニワトリのひなとハツカネズミとスナネズミがいます。

「あー、あ~あ~、そんなにぎゅーとつかんだら、つぶれちゃう!」状態の現場です。

あまりいい写真ではありませんが、雰囲気が分かりますでしょうか?

ちょっと、ご紹介しましょう。

まずはこれ。アライグマ(アライグマ科)、北アメリカ~中央アメリカ生息

タヌキに似た顔としましまのシッポが特徴。

これは幼稚園のお山にも現れたかもしれない外来種。神奈川県では

特定外来種に指定され、野生で見つけ次第捕獲=殺処分となっています。

かわいいお顔しているのに、明らかに人間のわがままでこうなってしまいました。

この動物は見るだけですが(抱っこはできませんが)、これからこのような動物を作らないように、

きちんと飼育し、動物と接する心構えも作っていかないといけません。

「飼ったら、命が尽きるまで世話をする。」という事です。

飼えなくなったからといって、野外へ放しては絶対にいけません。

ぐっすりお休みなのは ハクビシン(ジャコウネコ科)南アジア~東アジア生息

日本には移入されたと言われています。最近里山から降りてきて、

街中で目撃されたり、交通事故にあったりしています。

夜行性の為、就寝中です。ごめんなさい。トレードマークは鼻筋の白い模様。見えませんね!

ミカンが大好きです。

本日のわんちゃんはこの子。ポコちゃん。テリアの雑種かな?

まあおとなしく、みんなにこねくり回されても、ぶるぶる一つしません。

今年初めてやってきました。かわいーーーい!!!

他にも、やぎ・ひつじ・ぶた・シマリス・首に巻いて「ひゃー、冷たい」と叫んでいた

アオダイショウなどなど。ポニーにも乗って(写真販売あり)、きっと楽しかったでしょう。

みんは生きている事を感じてくれればいいなー。そうそうインコやオウムもいて、なんか

勝手にしゃべっていました。羽根、もっらっておけばよかったな・・・・・。

Filed under: こども環境管理士 — itsuko 15:27
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